小説に興味を持ってから人生が楽しくなった

読書が苦手だった私が、五十歳を過ぎてから、急に読書が好きになった。そのおかげで人生が豊かになった気がする。これからもっと読書が好きになれるように、人生が楽しく豊かになるように

小説家から学ぶ表現

有川浩さんの旅猫リポートに出てくる表現、描写

旅猫リポートposted with ヨメレバ有川 浩 講談社 2017年02月15日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan 教室がざわめき、美人な担任の笑顔には動揺の大きな亀裂が入った。 午後の授業中、暑いなと思って校庭にふと目をやると、地面にゆら…

森沢明夫さんの水曜日の手紙の表現、描写

水曜日の手紙posted with ヨメレバ森沢 明夫 KADOKAWA 2018年12月07日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan 五月の緑風が、さらりと襟元を吹き抜けた。 無垢の木で作られた瀟洒(しょうしゃ)なカフェテラス席ーー。 豊かな香りのアールグレ…

有川浩さんの県庁おもてなし課の表現、描写

有川浩さんの県庁おもてなし課から学ぶ、小説の表現、描写県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto おもてなし課が発足して一ヶ月、ああでもないこうでもないと会議がワルツを踊っていた…

森沢明夫さんの「大事なことほど小声でささやく」の表現、描写

権田という巨漢が丸太のような首をねじって、ぬっとこちらに振り向いた。 大胸筋の迫力が半端なかった。まるでそれ自体が別個の生き物みたいにメリメリとうねり、皮膚の下の筋繊維の束が透けて見えるようだったのだ。 四角い顎と、張り出した頬骨と、意志の…

有川浩さんの「空飛ぶ広報室」表現、描写

ついに言い負かされたか、稲葉リカが顎に梅干しを作りながら「たいへん柔軟でいらっしゃるかと……」と口を濁しながら引き下がった。 見る間に表情が沈み込む。ーーけっこうわかりやすい人かもしれないな、と空井はそのリトマス試験紙のような顔色の変化を見守…

塩田武士さんの「罪の声」の表現、描写

弱った歯茎から歯が抜けるようにビルや店が消えていった。そんな中「テーラー曽根」は時代の波に乗ることも荒波に揉まれることもなく、振り子のリズムで時を刻んだ。 照明を点けた後、すぐ隣に掛けられているリモコンの「運転」ボタンを押す。クーラーが眠た…

小杉健治さんの父からの手紙 表現、描写

父からの手紙posted with ヨメレバ小杉健治 光文社 2006年03月20日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan 二階の部屋に戻ると、机の上に父の手紙が出しっぱなしだった。手紙を片づけてから、窓辺に寄った。残暑が峠を越し、ひんやりとした…

有川浩の「阪急電車」の表現、描写

何だか妙な偶然がジェンガの如く重なり合っているが、相手を個別認識しているのはあくまで征志のほうだけだ。 「あ、それは嫌なんです」 彼女は口を引き結んで首を横に振った。 それもそうだな、と思ってしまったのは彼女の話術に飲まれている。 滑り込んで…

森沢明夫さんのミーコの宝箱 表現、描写

今日はクリスマスイブ。 街も、人も、どこか夢見がちで浮わついた空気感を発散させていて、同時に、なんだかすごく忙しそうに見える。 翌朝、プレゼントに気づいたときのチーコの顔に咲く満面のスマイルときたら、もう何物にも代え難いほどの、それは「わた…

おいしそうな表現、描写 たまちゃんのおつかい便 森沢明夫

「たまちゃん、おかえりね。いま、お昼のチャーハン作ってるよ」 おろしショウガと薄口醤油で味付けをし、ベーコンと長ネギのチャーハンだった。フライパンの端っこでわざと少しだけ醤油を焦がして風味をつける料理のコツも、長ネギを最後にまぜて、香りが飛…

自然や周囲、その他の表現 森沢明夫作品 たまちゃんのおつかい便

ときどき、その静かな廊下を看護師さんたちのシルエットがコツコツと靴音を響かせながら行き交う。彼女たちの控えめな靴音が響くことで、むしろ院内の静けさが際立っている気がする。床を這うようなブーンという低い音は、暗がりにぼんやり浮かび上がる自動…

人の心や行動の表現 森沢明夫作品 たまちゃんのおつかい便

小柄なシャーリーンが、ほとんど天井を見るようにして看護師さんに訊いた。 シャーリーンの唇からこぼれ出た「娘」という単語は、わたしの胸の浅いところで礫(つぶて)のような違和感となって、ころりと転がった。 シャーリーンは両腕を抱くようにして、凍え…

薬丸岳さんの「友罪」から学ぶ表現、描写

友罪 薬丸岳 鈴木はからだを小刻みに震わせながら、ロボットのようなぎくしゃくした動きでおにぎりをちぎると遠くに放った。 最初は苦手に思っていた駅前のけばけばしい風景も、肩を寄せ合うように屹立(きつりつ)するビルの群れも、今では心地よく感じていた…

田中経一さんの「逆流」から表現を学ぶ

逆流 田中経一 しかし、ここから先、自分がやらなくてはいけない作業を思い描くと、身体全体がこわばる。口の中に苦いものを感じた。胃袋が経験したことのないほどの収縮をはじめ、胃液が食道を通り押し出される。 自分を落ち着かせるため、勅使河原は目を瞑…

言動、行動の表現 クライマーズハイ 横山秀夫

私は、第二の人生に向けて小説を読むだけでなく、書く方に挑戦しようと思っています。 しかし、語彙力が無く、うまく書けません。あっさりした味気のない文章になってしまいます。 プロの小説家の文章は物語に入り込み、眼前に映像が浮かぶような文章ばかり…