小説に興味を持ってから人生が楽しくなった

読書が苦手だった私が、五十歳を過ぎてから、急に読書が好きになった。そのおかげで人生が豊かになった気がする。これからもっと読書が好きになれるように、人生が楽しく豊かになるように

小説を読もう「13階段 高野和明」の言葉表現

小説が好きで、気になった表現をの仕方まとめただけの資料です。

それからしばらくの間、声を発する者はいなかった。波の音だけがかすかに聞こえていた。

やがて、視線を落としていた南郷が、「お気の毒でした」と言った。

「それだけじゃないが、もちろん大きな原因ではあるな。離婚はしたくない。女房のことを考えると、あいつは俺のそばにいるのが自然のような気がするんだ」南郷は、目の隅に純一の微笑をとらえ、慌ててつけ足した。「好きだの惚れたのって話じゃなくてな。子供も巻きこんで、ずっと一緒に暮らしてきたからな」

南郷は、取っ手を掴み、床板を引き上げた。舞い上がった埃が、懐中電灯の光の束を浮き上がらせた。

「ちょっと待って下さい」と杉浦が止めた。「その前に私から申し上げたいことが」

「何です?」

杉浦の目は、言い出しにくいことを切り出そうとしているかのように、南郷と純一の顔を往復していた。「ちょっと問題が持ち上がりまして」

南郷は、苛立った口調になった。頬のあたりの筋肉が、心の奥底の憎悪を押し殺そうとするかのように硬く緊張している。
純一は、南郷の瞳の中に辛い過去を見た。

前夜の豪雨が梅雨前線の別れの挨拶だったらしく、翌朝の房総半島は快晴に恵まれた。純一と南郷は、陽光を浴びながらシビックに乗り込んだ。

そこは純一が考えていたとおり、古びた雑居ビルだった。がたがたと震動するエレベーターを使って五階に上がり、磨りガラスのはめ込まれたドアをノックした。

「樹原君の印象は、どんなでした?」

「正直言って、内向的な感じでしたね」

安藤は、当時を思い出すかのように視線を上げた。

話を聞いた中森は、当時の情報を思いだそうとするように視線を宙に向けた。

13階段 (講談社文庫)

新品価格
¥700から
(2018/10/17 11:54時点)

13階段 (講談社文庫) [ 高野和明 ]

価格:699円
(2018/10/17 11:57時点)
感想(31件)