小説に興味を持ってから人生が楽しくなった

読書が苦手だった私が、五十歳を過ぎてから、急に読書が好きになった。そのおかげで人生が豊かになった気がする。これからもっと読書が好きになれるように、人生が楽しく豊かになるように

おすすめ! 小杉健治小説を読もう「父と子の旅路」

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父と子の旅路 小杉健治

父と子の旅路 小杉健治
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大富家で一家が殺害された。大富夫妻とその父親が殺害され、生後半年の息子祐介だけが助かった。
事件前日、息子光男と大富家に泊まっていた柳瀬光三が容疑者として逮捕された。
犯行後、光三は生後半年の息子の光男を連れて逃げていたはずだが、逮捕された時には光男の姿はなかった。犯行後、光男を誰かに預けたようだが、裁判でも光男の行方については絶対に口を割らなかった。
光男には死刑囚の子供ということを知られたくなかったのだろう。光男には幸せに暮らしてほしいと思っていた。
光三は獄中でも光男と大富家で唯一生き残った祐介のことを気にかけた。幸せな人生を過ごせているのだろうか。
ある時、光三の再審を担当してくれる弁護士が現れた。その弁護士がなんと、二十六年前、大富家で唯一殺害されず生き残った祐介だった。
祐介は光三は無実だと信じて再審請求することに決めた。そして光男の行方を探し出し光三に会わせてあげようと思った。
最初から最後まで感動すること間違いなしの作品です。



書き出し
 病室の前に立つと、笑い声が聞こえてきた。また母が中心になっているようだ。水商売で培われてきたサービス精神を病室でも発揮している。会話の邪魔をしないように、礼菜はその場にたたずみ、母の甲高い声を悲しみを抑えて聞いていた。
 五十歳近い母だが、この六人部屋の中で一番若い。他の患者を明るく励ましている声からは余命半年ということは想像出来なかった。最年長の八十八歳の老婦人よりも残された生の時間は短いだろう。