小説に興味を持ってから人生が楽しくなった

読書が苦手だった私が、五十歳を過ぎてから、急に読書が好きになった。そのおかげで人生が豊かになった気がする。これからもっと読書が好きになれるように、人生が楽しく豊かになるように

おすすめ! 小杉健治小説を読もう「絆」

好きな小説
絆 小杉健治 

小杉健治さんの父からの手紙を読んで感動しました。
小杉健治さんの他の本を探していると、
このを見つけました。




絆 小杉健治

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夫の殺害を認めている被告人弓丘奈緒子。
しかし、被告人が認めているにも関わらず、原島弁護士だけが奈緒子の無罪を主張する。
原島弁護士は何故、無罪だと主張するのか?
裁判がすすむにつれて、その真実があきらかになる。



ストーリーのほとんどが裁判所のシーンです。
弁護士、検事、証人の尋問、証言が多かったですが、読みやすく引き込まれる内容です。


ストーリーは、この裁判を取材する記者の「私」の視点で進んでいきます。
そしてこの記者「私」にとって、この弓丘奈緒子の裁判は特別なものでした。
奈緒子と「私」は子供の頃、同じ町に住んでおり、奈緒子は「私」が子供の頃に憧れていた女性だったからである。
そして奈緒子には二人の弟がいて「私」は上の弟寛吉に命を助けてもらったことがあった。
傍聴席には下の弟晴彦の姿はあったが、寛吉の姿はなかった。裁判が始まる前に、晴彦から寛吉は亡くなったと知らされる。
「私」は学生の頃、セーラー服姿の奈緒子を見てときめいたことや、寛吉と遊んだ頃を思い出していた。




原島弁護士の尋問のシーンが良かった。
前半は、検察側の証人への反対尋問で、これまでの事をくつがえし、後半は証人尋問に入り真実へと近付けていく。
真実が見えてきた時の原島弁護士の迫力に、涙してしまいそうになりました。



書き出し
開廷時間まで、すこし間があった。
私は地域の記者クラブから法廷にむかった。法廷前の廊下には廷吏の姿しかなかった。傍聴人はすでに入廷したようだった。
傍聴席の扉をおした。法廷に入ると、まっさきに被告人席に目をやった。この裁判の主役である被告人は、まだ姿をあらわしていなかった。
傍聴席の右半分の最前列と二列目まで、腕章をまいた新聞記者が占めている。私は最前列のあいている席に腰をおろした。