小説に興味を持ってから人生が楽しくなった

読書が苦手だった私が、五十歳を過ぎてから、急に読書が好きになった。そのおかげで人生が豊かになった気がする。これからもっと読書が好きになれるように、人生が楽しく豊かになるように

結婚式の誓いと浮気の疑惑(ショートストーリー)

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 誓いの言葉

1、互いに嘘、いつわりなく誠実であること

2、互いの両親、友人を大切に思うこと 

3、互いを信じ合い、助け合い、愛し続けること

4、互いに出来る限り今の体型をキープすること

5、ケンカをしても、すぐに仲直りすること

6、今日の日の感謝を一生忘れないこと

 わたしは、三年前の結婚式でゲストの前で誓った言葉を湯船に浸かりながら、繰り返し呟いていた。しかし、呟くのは三回目の途中でやめた。だんだんと腹が立ってきてしまった。
「バカみたい、イライラする」そう言って湯船から飛び出した。
 バスタオルで体を拭きながら、たるんできたお腹をつまんでみた。間違いなく体重が増えてきている。ストレスのせいで甘いものをよく食べるようになった。体重計に乗るのが恐ろしくて今日もやめた。
 わたしは何のために結婚したんだろう。週に五日他のスタッフに気をつかいながらパートで働き、パートから帰ってからは掃除、洗濯、夕飯の支度に追われ、家計のやりくりに頭を悩ませる。
 夫の隆司が、ラクしているように思えて腹立たしい。今日も残業で帰りが遅くなるとメールがあったが、仕事かどうか怪しいものだ。わたしは隆司が浮気をしているのではないかと疑っている。それもわたしのイライラの原因のひとつだ。
 浮気を疑う理由は、残業で遅く帰宅した時に、微かだが、フワッと香水のカオリがするからだ。そのカオリは、わたしも愛用してたことのある香水のカオリなので、間違いなく女のカオリだ。
 問題はそれが、いつ、どこで、ついたかだ。通勤電車の中でついたなら、毎回、同じカオリがつくはずがない。職場でつく可能性も十分に考えられるのだが、それも残業した日だけというのもおかしい。
 それからもう一つ、隆司が急に優しくなったのだ。もともと隆司は、無器用で気配りなどできるタイプではなかったのに、最近は、自ら夕食の後片付けをしてくれたり、お風呂の掃除やトイレの掃除までしてくれるようになった。無愛想で会話をする方ではなかったのに、よく話しかけてくるようになった。それも遅く帰った日は、特にだ。本当は喜ばしいことだけど、男は浮気をしていると妻に優しくなる、と聞いたことがある。
 いつかは、この疑惑をはっきりさせたいと思っている。

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book☆walker
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