小説に興味を持ってから人生が楽しくなった

読書が苦手だった私が、五十歳を過ぎてから、急に読書が好きになった。そのおかげで人生が豊かになった気がする。これからもっと読書が好きになれるように、人生が楽しく豊かになるように

田中経一作品を読もう

田中経一さんとは

田中経一さんはフリーの演出家として独立。
フジテレビ「料理の鉄人」「ハンマープライス」「クイズ$ミリオネア」「VVV6」やテレビ朝日「愛のエプロン」などの数々のテレビ番組の演出を手がけ、多くの受賞歴を持つ。二〇一四年、『麒麟の舌を持つ男』で小説家デビュー。小説家としても素晴らしい作品が多くて大好きな小説家です。
ラストレシピ 田中経一

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ラストレシピ

 私が田中経一作品を知るきっかけになった作品です。映画化されたことでタイトルが頭に入ってましたので、本屋で何気なく手に取ってしまいました。

 主人公は佐々木充という料理人です。(映画では嵐の二宮さんが演じてました)彼は、料理の腕は凄いのですが、職人肌が災いして、独立して店を出したものの、従業員達とうまくいかなかった。そして食材にこだわり、料理の研究に出費しすぎてしまい、借金を抱えて店を閉めてしまいます。 借金返済の為に、佐々木が始めた仕事は、人生最期に食べたい料理を作る、ちょっと変わった料理人だ。

その肩書きは〈最期の料理請負人〉

 1度食べた料理の味は忘れない天性の絶対音感のような舌の感覚(麒麟の舌)をもつ佐々木充にしか出来ない仕事だ。

 今回、佐々木に来た依頼は、楊晴明(ようせいめい)という中国人からの依頼だった。 依頼内容は 中国には清の皇帝が宮廷料理人に作らせた、世界で一番スケールの大きなコース料理「満漢全席」があるが、それを越える幻の日本料理があるという。

 そのレシピを探しだして再現してほしいというものだ。

そのレシピの名前は「大日本帝国食菜全席」

 このレシピを作った人物は、山形直太朗という人物で、山形直太朗は日本から満州に渡り、満州の地に天皇陛下が行幸される時にお披露目するという歴史的な料理「大日本帝国食菜全席」の全権を担っていた。そして依頼主の楊晴明は直太郎のレシピ作りに協力した人物だった。
 しかし、満州は13年の短い年月で滅びてしまった幻のような国家。そして「大日本帝国食菜全席」も幻のレシピとなってしまっていた。

 楊晴明の話では「大日本帝国食菜全席」は山形直太朗の妻、千鶴が日本に持ち帰ったという。

 佐々木は「大日本帝国食菜全席」を探しだす為、山形直太朗という人物について調べ、彼が偉大な料理人であることを知る。そして直太朗の娘、山形幸に会い話しを聞くことができた。

 しかし、山形幸と楊晴明との関係は険悪なものであることがわかる。

 幸の話では「大日本帝国食菜全席」は春、夏、秋、冬の4冊で各51品目、全部で204品目もあるレシピで、幸の手元には秋のレシピしかなく、他は楊晴明が奪い取ったということだった。
 佐々木は楊晴明の話とは食い違う幸の話を聞いて、楊晴明に不信感を抱きはじめる。
 さらに、幸の話しでは、楊晴明は直太朗とレシピづくりを9年ほど手伝ったが、直太朗が楊晴明の本当の正体を知り、クビにしていたのだ。
 その後、楊晴明は仕返しに現れ直太朗を殺害し、春と冬のレシピを奪ったのだと言う。残りの夏と秋のレシピは直太朗の妻、千鶴が満州から日本に持ち帰ったが、千鶴の再婚相手の料理人湯木壮一が何者かに襲われ夏のレシピは奪われてしまったのだと言う。湯木を襲った人物は中国人だった。幸は楊晴明の仕業に違いないと言う。
 その後、千鶴は責任を感じ首を吊った。残された幸は、その後居場所を転々とすることになってしまった。

 幸にとって「大日本帝国食菜全席」は、父直太朗の思い出でもあるが、直太朗と千鶴を死に追いやったレシピでもあった。そして、その影には、いつも楊晴明の姿がちらついていた。

 幸が持つ秋のレシピを佐々木は見せてもらった。その最後に書かれたメッセージから冬のレシピは楊晴明の手元にではなく、ある人物の手元にあることを突き止め、中国に渡り冬のレシピを見つけだすことに成功した。

 そして、佐々木は、ある人物から冬のレシピと一緒に直太朗からの手紙を受け取った。佐々木は帰国し、冬のレシピと直太朗からの手紙を幸に渡した。

 その手紙を読んだ幸は、楊晴明との決着をつける覚悟を決め、佐々木と北京へと向かうことになる。 そしてクライマックス 幸と楊晴明の決着の行方は? 直太朗の残した手紙に書かれてあった真実とは?

「大日本帝国食菜全席」の本当の目的は何だったのか?
 何故、楊晴明は「大日本帝国食菜全席」を探しだそうとしたのか?

 山形直太朗の料理への愛を感じることが出来るクライマックスです。

 間違いなく最後に感動すると思います。

あまりヒントを出しすぎると感動できなくなりますので、是非、読んで感動してください。

歪んだ蝸牛

 新東京テレビの「生激撮! その瞬間を見逃すな」は警察の捜索シーンを生放送するというバラエティー番組で、高視聴率の人気番組だ。
 そのプロデューサー五味剛は過去に別の番組でヤラセを指摘された。五味はこれからもヤラセをやり続けると言って干されていたが、現場復帰してこの超人気番組を作り上げた。
 その収録現場で立て続けにトラブルが起こる。そのトラブルはいずれも五味と同期で編成部長の板橋に対する嫌がらせのような内容だった。板橋は過去に五味が起こしたヤラセについて処分を下した人物だった。番組の中でのトラブルは、ヤラセの件で板橋に怨みを持つ五味の仕業ではないかと疑われた。
 疑った人物は今年入社した新人アナウンサー板橋凜、板橋の娘だった。凜は五味の仕業だという証拠をつかもうとする。
 いったい誰の仕業で起こったトラブルなのか?
 五味の知らないところでは権力闘争もからんでいく。
 五味という男のテレビ屋として番組制作の志に感動します。テンポよく読みすすめられて映像が浮かぶような作品でした。

キッチンコロシアム

 これはフィクションですが、昔人気のテレビ番組「料理の鉄人」をモデルにして、そこから広がるストーリーです。登場人物も当時の鉄人や筆者自身がモデルになっています。
「料理の鉄人」を知っている世代は特に面白い作品です。

 料理の異種格闘技番組「竃(かまど)の鉄人」は富士テレビの人気バラエティ番組だ。
 番組の主役は、もちろん和の鉄人、道場六三朗。
 その道場に闘いを挑むのは、フランスの名門レストランで腕を磨いた注目の若き女性シェフ、河田千春。
 実は15年前に道場と河田にはある因縁があった。この因縁が物語を面白くしている。
 千春が番組オファーを受けた理由には、自分の店の宣伝以外にある思い(秘密)があった。
 その思い(秘密)が道場との因縁に関係してます。
 それがどのように展開するのか、それ以外にも盛り上がる箇所がたくさんあります。
 ひとつのテレビ番組を作り上げるテレビ関係者の努力と苦労。
 料理にこだわる料理人の志、料理に対する考え方の違い、等々。
 そして家族への思い、絆まで。
 番組を製作していくうちに徐々に明かされていく過去。
 何度も心打たれる場面があるはずです。
 そして最後にわかる衝撃の真実。感動すること間違いない作品です。