小説に興味を持ってから人生が楽しくなった

読書が苦手だった私が、五十歳を過ぎてから、急に読書が好きになった。そのおかげで人生が豊かになった気がする。これからもっと読書が好きになれるように、人生が楽しく豊かになるように

③『婚カツ屋』という名のちょっと変わった結婚相談所

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島崎康史 面談
「そんな事に協力出来るわけないです。それって詐欺じゃないですか」

 俺はテーブルを叩き、前に座る男を睨み付けた。声が震えてしまった。自分でもビックリするくらい、大きな声になった。それなのに、前に座る男は、平然と右の口角を上げて笑っている。
 この男は結婚相談所の所長だ。俺は行きつけの焼鳥屋の大将にこの男を紹介された。俺をある女性に紹介したいから、この男と面談してくれと言われて、今日ここに来た。しかし、この男は俺に詐欺の話を持ちかけてきた。

 これから紹介する女性と付き合い、男が女性から紹介料の百万円を受け取ったら、山分けして姿をくらまそうと言うのだ。大将から女性の写真を見せてもらっていた。モデルのような美しい女性だった。こんな汚い結婚相談所に百万円を支払わなくても、簡単に結婚出来そうな女性なのに。

 ここを紹介してくれたのは、この建物の一階にある焼鳥屋の大将とおかみさんだった。二人は詐欺のことを知って、俺に紹介したのだろうか。いや、大将とおかみさんに限ってそんな事は絶対ない。二人もこの男に騙されているんだ。そう信じていた。

「協力できません。失礼します」ソファから立ち上がり出口へ向かった。その時、ドアの前に立つ男性を見て、金縛りにでもあったかのように体が凍りついた。
「えっ……」
「おぅ、島崎くん」
「た、大将……、ど、どうして、ここに」
 いつも焼鳥屋で見せてくれる表情とは違い、眉間に皺を寄せ、口を真一文字にしていた。

 三日前に、焼鳥屋に行った時、大将からここを紹介してもらった。けど、まさか……、大将も詐欺グループなのか、一体どういうことなんだ。