小説に興味を持ってから人生が楽しくなった

読書が苦手だった私が、五十歳を過ぎてから、急に読書が好きになった。そのおかげで人生が豊かになった気がする。これからもっと読書が好きになれるように、人生が楽しく豊かになるように

有川浩さんの空飛ぶ広報室 名言集

以前、自衛隊のCMで目立とうとして批判されたことがある。その頃の空井はおとなしく目立たないようにしておけばと思うこともあったが、今は、興味を持ってもらうことが大事だとPR活動に励む。

「でも、私はそういう取り組みも興味を持ってもらうきっかけになれるならいいと思うんです。日頃からふざけてたら困りますけど、日頃はきちんとやってますから、いつ見に来ていただいても真剣に業務に取り組んでいる姿をお見せできますから」
「確かに、無関心ではPRのしようがありませんね」
 リカの相槌に我が意を得たりとばかり頷いた。
「そうなんです。愛の反対は無関心っていいますよね。無関心って一番救いようがない状態かと思うんですけど、我々の社会的な基本ステータスってそこなんです。必死でその状態から国民の皆さんに気づいてもらおうと手を振ってるわけで」

記者職を失い落ち込むリカの気持ちを、パイロットの夢を怪我のため断念した空井にはよくわかる。空井は気持ちの切り替えを提案する。

「……でも、また新しい志を持ってらっしゃるので羨ましいです」
 その呟きはあながち口先だけでもなさそうで、空井は思わず神妙になった。 ーーそういえば、この人も志を折られた口だったなと思い出す。
 懇親会で大虎の美女と化したとき、記者職を失った悔しさを延々訴えていた。なりたいものに手が届いて、届いたと思うや失われたことは同じと言えるかもしれない。
「あの……記者という職を失ったんじゃなくて、ディレクターという職を新たに得たって考え方はどうでしょうか」

「俺も似てるっちゃ似てるんで他人事と思えなくて。でも、自分はパイロットじゃない、自分はパイロットじゃないって思ってるより、これから広報官になれるんだって思った方がいいなって。だってパイロットの頃ばっかり振り返ってたら、僕の人生って、三十手前にしてもう余生じゃないですか」

「有事に果たすべき義務があるということは、それだけで拠り所になります。辛いことがあったとき、自分にできることがあるだけで人って救われるでしょう? だから僕たちは被災者を支援しながら、自分自身を救ってもいるんです」

「でも、僕らがちゃんと広報しないと、隊員の活動は外部に伝わらないんです。被害者を出動の実績にしないために広報活動はあるって僕は比嘉さんに教えられてたのに」